最終更新日:2025.09.16
『乳児湿疹』について皮膚科専門医が解説しました!

乳児湿疹(infantile eczema)は、乳児期にみられる皮膚炎の総称であり、原因や病態によっていくつかのタイプに分かれます。主な症状は以下の通りです。
症状
- 皮疹の種類
発赤(紅斑)
丘疹(ぶつぶつ)
膿疱(水疱が化膿したもの)
落屑(皮膚の剥がれ)
痂皮(かさぶた) - 好発部位
顔(特に頬)
頭部
体幹や四肢の伸側 - 経過
新生児期~生後2か月頃:皮脂分泌が盛んなため脂漏性皮膚炎が多い
生後2~4か月以降:乾燥が目立ち、アトピー性皮膚炎との鑑別が必要となる
診断
乳児湿疹は臨床診断が主体です。
- 問診
発症時期、経過、家族歴(アトピー、喘息、アレルギーなど)
入浴・スキンケア・石鹸使用状況 - 視診
皮疹の分布、性状(滲出液を伴うか、乾燥主体か)
慢性化による苔癬化(皮膚が厚くなる変化)の有無 - 鑑別診断
アトピー性皮膚炎
脂漏性皮膚炎
接触皮膚炎
細菌・真菌感染(膿痂疹、カンジダなど)
かゆみが強いかどうかがアトピー性皮膚炎の鑑別に重要
検査
通常は必須ではありませんが、必要に応じて行われることがあります。
- 血液検査
IgE値、好酸球数(アトピー素因の参考になるが乳児期は診断的価値が限定的) - 皮膚検査
細菌培養(とびひが疑われる場合)
真菌鏡検(カンジダ、白癬を疑う場合) - アレルギー検査
特異的IgE(RAST、CAP-RASTなど)
→ 食物アレルギーの評価に補助的に用いるが、乳児湿疹=食物アレルギーではないため注意が必要
治療
乳児湿疹は基本的にスキンケアが中心で、必要に応じて薬物療法を行います。
(1) スキンケア
- 1日1回の入浴・洗浄(低刺激の石鹸を使用)
- 洗浄後は速やかに保湿剤を全身に塗布(ワセリン、ヘパリン類似物質、尿素・セラミド配合製剤など)
(2) 薬物療法
- 外用薬
炎症が強い場合:ステロイド外用薬を部位・年齢に応じて使用
感染を伴う場合:抗菌薬外用薬または内服 - 内服薬
強いかゆみに対して抗ヒスタミン薬を短期間使用する場合あり
(3) その他
- 食事制限は安易に行わず、医師による食物アレルギーの診断がついた場合のみ実施
- 繰り返す湿疹や難治例ではアトピー性皮膚炎の初期像として経過観察が重要
まとめ
乳児湿疹は乳児期に一般的にみられる皮膚炎の総称であり、原因は皮脂過多から乾燥・アトピー素因まで様々です。
診断は臨床的に行い、検査は補助的。治療はスキンケアを基本とし、必要に応じてステロイド外用薬や抗菌薬を用います。
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